アスフォデロの野をわたる途中で

忘却の彼方にいってしまいがちな映画・音楽・本の備忘録

ミオねぇ追悼。そして百鬼丸は「抱きしめる」を獲得した。どろろ第6話 追記

どうも第7話はまさかのハッピーエンドだったらしい。

しかも次週第8話は、さらにまさかの連続オリジナルエピソード!
原作知ってるが故の最初からネタバレ仕方ない状態が、先がわからないドキドキで見られるのは本当に楽しみだなー
そこから怒涛の多宝丸との兄弟対決に入っていくのか。。
 
ということで、第7話はこれから見るのですが、忘れないうちにミオです。
 
原作を知らない海外ガチンコ勢。
毎回反応をチェックしていて、先週の第6話についてはみな「悲痛」の一言しかない。
 
絶句、というか。
 
 
日本の原作読んでる勢は、ミオが死んでしまうことも子供たちも皆殺しにされてしまうことも全部織り込み済みで、さらにその過酷なストーリーを深掘りしてくる靖子にゃん先生脚本のショックに耐えられるかどうかを先読みして恐怖してたわけですが、海外勢はさすがにミオの悲劇はOPから予測できても、まさか子供たちまでと思ったらしい。
 
で、ラストの百鬼丸どろろが、草原が黄金の稲穂に変わっていく中を歩むシーンで流れる「赤い花 白い花」で、花が捧げられる相手は明確に「her」と字幕が出てるんだよね。
 
Pick a red flower
To give to her
 
赤い花 摘んで 彼女にあげよう
 
。゚・(>﹏<)・゚。
 
 
 
百鬼丸の思いであったか。。。
 
字幕グッジョブ。
 

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原作だと死んでしまったみおに口づけするんだけど、発達の遅い今回はマボロシの花をそっと差してあげるのだ。。
(実際には抱きしめてますが)
 
日本語だと主語どころか対象が男なのか女なのかわからない。
ミオの歌声だから、ミオがおリボン百鬼丸に花を差してあげてる姿しか浮かんでなかったけれど、ラストでは、百鬼丸がミオの髪に花を差してあげているわけです。
 
嗚呼ー
 

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「ミオの魂が汚れていないことを、生きているうちに百鬼丸が伝えてあげられなかったことがつらい」
という感想を見かけたけど、百鬼丸最大の愛情表現であるミオの頬を両手ではさむという仕草で、ミオには十分伝わってるのではと思うんだけど甘いかしら。
 

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そして私の号泣ポイントは、やはり我に返った百鬼丸が仕込み刀のままでミオを抱きしめるシーンでした。
 
「ミ。。オ」
 

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あー
 
百鬼丸が遂に本当にしゃべった。。
 
赤ん坊が初めて話す言葉が「Ma…ma」。
 
でもね。
抱きしめてるから!
頬を手ではさむのが最大の愛情表現だった百鬼丸が「抱きしめる」を獲得してるから!
 
鋼の手で愛する人を抱きしめる姿は、ジョニー・ディップの出世作シザーハンズ』を思い出させた。
 
 
百鬼丸は鬼神から今回は12の部位を奪われているけれど、ほぼコミュニケーション能力を奪われていると言ってよい。
「顔」がなければ喜怒哀楽の表情を伝えられないし、「感覚」や「耳」がなければ外界の情報を取り入れることができないし、「声」がなければ言葉を話せない。
でも直接的に鬼神から取り戻しているそれら部位だけではなくて、人と手をつないだり(どろろは手を引いてあげている)、人を抱きしめるといった愛情を表す「ジェスチャー」自体もこれから徐々に獲得していくのだろう。
 
 
原画の浅田さんが、百鬼丸がミオの魂の白い炎を見つめて、ミオが恥ずかしくてそっとエリを合わせ直す姿を公開してる。ミオはあきらかに百鬼丸の「魂」を感じている。
 
 

 
百鬼丸はまだ目が見えていないけれど、人の本質を見ることができる。
どろろは言葉でミオに「ねぇちゃんは偉い」と伝えていたけれど、きっと百鬼丸の「ミオの魂は美しい」という賛美の心は伝わっていたと信じたい。
 
「愛おしい」という気持ちは生きているうちに伝えることはできなかったけれど。。。
 
そういう意味で、やはりこの第5話と第6話で、百鬼丸は人を愛する心を学んだと思うのです。
愛するが故に鬼にもなるし、仏にもなりうる。
原作のやんちゃで少し不良なアニキも捨てがたいけど、この物静かで、内に炎を秘めた平成のアニキが羽化した時は、きっと素敵なヒトになると思うな。