アスフォデロの野をわたる途中で

忘却の彼方にいってしまいがちな映画・音楽・本の備忘録

「魔物が弱い」問題について どろろ2019年版考察

第2期への漠然とした不満。

15話のマンマイオンバ回で露呈してますが、考えるに「魔物が弱い」に尽きると思う。

本来なら「鬼神」と書くべきでしょうが、どう見てもこれまで「鬼畜」と呼ぶべきはサムライでありムラびとでありました。

だいたい、前期最初のクライマックスであるミオ回は「え、なんか化け物って出てたっけ?」って印象で、視聴者の敵はミオを陵辱し、最後には孤児もろとも皆殺しにしてしまうサムライたちであり、百鬼丸が戦うアリジゴクみたいなのは通りがかりに出て来るオマケみたいなものだった。

これまでいちばん強かったのはオリジナルの空飛ぶ巨大ムカデ「残され雲」、戦闘シーンもイカしてた。

万代さまが超弱かったのを筆頭に、謎の存在感があった不動明王、心理戦を仕掛けてきた九尾のキツネ、そして今回の異世界からやって来て人類をたぶらかして地球を乗っ取ろうとするマイマイオンバ、手塚治虫が作り出した魅力ある化け物たちが、今回のアニメではことごとく弱っちい。

第15話は、吉村清子脚本、小林治監督のクセも相まって、寺を焼き尼僧を殺し、孤児たちを化け物に喰わせて自分たちの村の安寧だけを願う鯖目とムラびとたちの醜さみたいなのが前面に出ていて、ドキドキわくわくの魔物の世界は遥か背景へと後退している。

それに伴って、百鬼丸の鬼神との戦闘シーンが機械的な魔物退治に終わっていて、なんか物足りない。

魔法がかかってないというか。

 

醍醐領の安寧のために母親ですら自分の存在は認めがたいことを知った百鬼丸。鬼神を倒すことは「自分のために身体を取り戻す」以外、いまのところ目的はない。

ヒューマンドラマを目指すなら、ここから何かが変わらないとなぁ。

2019年版の斬新な設定には畏敬の念を持っているので、どろろといったん別れたこれからの展開を期待してます。