アスフォデロの野をわたる途中で

忘却の彼方にいってしまいがちな映画・音楽・本の備忘録

どろろ 第3話 「寿海パパ、ハードボイルド室町時代」

まさに、ハードボイルド室町時代

いやー 待ちに待った『どろろ』第3話、冒頭の無残さは出色だった。
磷付、耳削ぎ、指落とし。。。
耳削ぎ なんてテレビで初めて見たよ。『タイムスクープハンター』か!
NHKもそこまで冒険はしたことないと思います)
 
1969年のアニメ版は、百鬼丸登場の飛び散る血のシーンのせいでモノクロになったと聞きますが、2019年版のこの回も思いっきりモノクロ。
過去だった、ってこともあるけど、中世の残酷さを正面から描くにはモノクロにするしかあるまい。
 
そして今回、百鬼丸の育ての親、寿海は医者というより現代の義手義足を作るメーカーといいますか、エンジニアですね。
過去の贖罪のために、無償で人体の動くパーツを製作して戦で傷ついた人々に提供している。
その匠の技が、12匹の魔物に奪われた百鬼丸の五体を形作るわけですが。
 
寿海を演じるのが、ブラックジャック大塚明夫さん。
さすが手塚プロ、このキャスティングはすばらしく、第3話は徹頭徹尾ブラックジャックこと寿海のハードボイルドひとり語りです。
大きな統一国家が存在せず、すべて「自己責任」のこの時代を生きている人々は望もうが望まなかろうがハードボイルドに生きざるを得ないのですが、百鬼丸と寿海の別れのシーンは泣けたなぁ。
リアル涙、こぼれました。

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感覚のない手でいたわるように顔をさわる百鬼丸。。。
こないだのどろろのシーンと同じだ 泣
寿海の白い炎も弱っていたのかなぁ
 

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原作をまだ読み返してないのですが、確かどろろに「作り物の目」を見せたあと、がらんどうの眼窟をさらしたまま寿海との経緯を「テレパシー」で語るという相当レアな場面を展開していた百鬼丸ですが、今回は案内役の琵琶丸とどろろ百鬼丸の代わりになんとなく察してあげています。
 
そして皮膚の感覚を取り戻したらしい百鬼丸は、焚き火にふれてみて、その「感覚」を確かめたりしています。
斬新!
 
これはピノキオが人間になってく物語でもあるんだなー
 
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