アスフォデロの野をわたる途中で

忘却の彼方にいってしまいがちな映画・音楽・本の備忘録

どろろ 第2話 「俺は、百鬼丸」

どろろ』2話、見ました。

amazon prime いったい何時から配信なの???

もしや第1話のみ特別配信だったの???

と、疑心暗鬼にかられながらグースカ眠ってしまった月曜日ですが、ちゃんとTV放映終了後、24時くらいから配信されるようです。

 

でもって超楽しみだった第2話ですが、なんだかあっという間に終わってしまった。

あれ???

万代、弱すぎない???

昭和だったらたっぷり2話でお届けしてませんでしたっけ?

原作、50年前のアニメ、プレステ2、実写、すべて制覇している『どろろ』マニアとしましては、万代、あっさりしすぎてた。

霧の中、川辺に眠る百鬼丸に「やろうかぁー」と怪しく囁く金小僧。。。

万代の寝室に忍び込み、枕に隠されてるしっぽと遭遇しそうになるどろろ。。。

平和を取り戻し金小僧が隠していた金まで取り戻し、しかし身体の一部を取り戻した百鬼丸におののいて「出て行ってくれ」と冷たくあしらう村人たち。。。

なシーンがすべてカットされ、非常にあっさりしていた平成アニメ版。

第1話の濃密さに比べてこの淡白さは何?? と思った初見でしたが、さきほどもう一度見直してなんか納得しました。

つまりはまだまだプロローグ。

百鬼丸の過去も、どろろの過去も、まだ全く明らかにされていない。

逆に現在の百鬼丸について、非常にリアルに描写する場面があります。

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万代に「おっかさん」の面影を見てしょげるどろろの「魂の炎」の弱さを感知し、思わず頬に手を当て「なぐさめようとする」百鬼丸

 

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きゃー

視覚も聴覚もそのほか皮膚を通した感覚のすべて奪われている百鬼丸

しかし、彼には「魂の炎」のようなものは見える。

どろろはうざったいけどとても美しい炎を持っているので、なぜか自分についてくるけど害はないので放置している。

(って語りの麦人博士と今シーズン大活躍の「おっさん」こと琵琶丸が言ってた)

そしてもう一人、かつて自分にずっと寄り添っていてくれた美しい炎が、寿海だった。。

ってことで、次回満を持して寿海パパ!


TVアニメ『どろろ』 第三話「寿海の巻」予告

原作にはいなかったオリジナルキャラも出てくるようで、先行カットを見ると多宝丸の子供時代もあってヤバすぎるなぁ。

これ魔物は12匹で全話24話だと、もう2匹倒してるからあと10匹で22話やることになる。焚き火の場面をよくよく見ると右脚ホンモノっぽいからもう一匹前に倒してるのかな。あと9匹?

最初の「泥なんとか」と「万代」それからPVで出てくる「似蛭」はあっさりやって、あと9匹をじっくり描いてくれるのかしら。

 そして、どろろを気遣った後(照れるどろろがかわいい)、「名無しのくせに!」と言われて唐突に自分の名前を地面に書き始める百鬼丸。しかし、どろろは字が読めない。代わりに手で触って「ひゃっきまるか」と教えてあげる琵琶法師のおっさん。

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この、三人とも何かが欠如してる個人同士が互いに補っているチーム感がすばらしい。まさに現代感あふれる小林靖子の脚本。

百鬼丸は、ただの戦う機械人間ではなく、他人を気遣う心を持っていることもわかる。どんな方法で学んだのか、漢字まで書けることもわかる。

いったいこの16年間に何があった?

 そして今回「万代」を倒して取り戻したのは「神経」!

今までどんなにズタボロになろうが痛みを感じなかった百鬼丸が、これからは戦闘のたびに痛みを感じるようになる。

風や太陽を感じられるようになったのはすばらしいことだけど、失ったものを取り戻すたびに、百鬼丸は生身の人間に近くなり、どんどん戦闘能力は低くなり弱くなっていくのだろう。

そして魔物が一匹ずつ倒れるたびに、天災や人災に見舞われる醍醐の国。

幸せの国になんてたどり着けるのだろうか。。。

来週多宝丸の子供時代だって出てくるし。。

このあとの展開を思うとつらい・・・・

ともだえながらも、次回「寿海の巻」も無茶苦茶楽しみです!

 「どろろ」はいいぞ!

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#この第2話のモチーフは日本の各地に伝わる民話「六部殺し」。「六部」と呼ばれる旅の僧を殺して金を奪い、その金で裕福になった百姓夫妻に子供が生まれるが口がきけない。ある晩、その子供が初めて口をきいたのが「お前に殺されたのもこんな晩だったな」。

ひー

さすが鬼の小林脚本。「金小僧」は原作の村を救う埋蔵金の精ではなくて、「六部」の霊っていう怪談話になっております。

まさか口のきけない百鬼丸が声帯を取り戻した時に醍醐に向かって「お前に身体を奪われたのもこんな日だったな」とは言わないと思いますがww

どろろが「剣を奪うために」百鬼丸につきまとうのではなく、「妖怪退治で金を稼ぐ」マネージャーになるのが目的になっているところや、万代に一方的に搾取されて貧乏な村ではなく、逆に犯罪によって豊かになりその後ろめたさを無くすために用心棒を雇う百姓たち、という設定変更は非常に現代的であり、さらにそれを中世の民話に結びつけるという二重構造にはうなるしかないなぁ。