アスフォデロの野をわたる途中で

忘却の彼方にいってしまいがちな映画・音楽・本の備忘録

『女は女である』ジャン=リュック・ゴダール

本日は、ディオールの舞台裏を描いたドキュメンタリー『ディオールと私』の公開日。

先立って Bunkamuraル・シネマで1週間だけ上映された「モードと映画」特集のうち、「シャレード」を除く(ヘップバーンさん、ごめんなさい)3本を仕事の合間に根性で見て、やっぱり小さな劇場で見る映画っていいなあ、とつくづく思ったので記念にブログを書くことにしました。IT業界伝統ながら今更の初はてぶ(笑)

 

なかでもゴダールの『女は女である』は最高でした。

 

 

ゴダールはヌーベルバーグの「お勉強」として見たことが多く、いまいち心の底から良いと思ったことはなかったのですが、トレーラーでも見ることができる冒頭のタイポグラフィからカメラワーク、音楽まで、文句なく「この人は天才だ」と思わせられます。1960年の『勝手にしやがれ』でのデビューがどんなに衝撃的だったか、50年以上経った今でもこんなに新鮮に思えることを考えると、想像だにできません。

 

そして、主演のアンナ・カリーナが最高!

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無茶苦茶かわいい。

赤いカーディガンに赤い靴下、ベージュのコートに黒の手袋。

赤い傘を小脇にはさんで、煙草を吸いながらパリの街を歩く姿は本当に絵になってる。

観た翌日どうしても赤いカーディガンを着たくなったのですが、持ってなかったので、クリスマスくらいにしか着ない半袖のニットを着てみましたが、何か違いました(笑)。

 

突然ミュージカル仕立てになったり、『突然炎のごとく』や『ピアニストを撃て!』のオマージュの台詞が出てきたり、ハル・ハートリーみたいな小粋な感じで非常に気に入りました。(いや、むしろハートリーの方が影響受けてるのか)

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『はなればなれに』も見てみたいなー

 

1961年のベルリン国際映画祭で、夫婦ともに銀熊賞を取ったのは納得です。